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2024/11/23 (Sat)
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2009/06/11 (Thu)
 ライト・マジック。

 少年漫画+スレイヤーズ。最初の告知を見たときには一体何がどうなっていくのやら、と訝しげに首を捻り
まして、1巻は即座に手を出すことはしなかったものの、2巻はかなり即座に入手。そして一気に読みました。
 
 読んでみて思いました。うん、本当に少年漫画+スレイヤーズ、どちらの要素も落とさず併せ持っていて、
ふたつのジャンルがぎゅうぎゅうに詰まってる感じがします。いや、むしろ詰まりきらずに溢れてるような気が
する(笑)

 一体どうなってるやらと思いながら手を伸ばしたこちら。けど、読んでみたら良い方向にこちらの想像の斜め
上を行ってくれたなあ、と。一言で言うなら、うん、まさに

 してやられました。


 という訳でライト・マジックの話。ネタバレ色々ありですので、未読の御方はプリーズリターン。これから読む
機会があるのなら、ネタバレなし状態の方が絶対楽しいです保証します(笑) 

 そもそも私、この作品、発売前に結構思い込み激しかったんですよ。それがどういうものかというと、てっきり
タイムスリップ物だと思い込んでたんですね。や、そういうジャンルがあるかどうかは別として、ともかくリナ達が
何かのきっかけで未来に時間移動してしまって、そこから元の時代へ帰るまでのドタバタだと思ってたんです。
 だって最初に発表された仮タイトルが「スレイヤーズふゅ~ちゃ~」、でもっていかにも「未来設定」っぽいあら
すじ、これに思いっきり目を引かれてしまって、少年漫画だとかライト君とはリナの弟子らしいよ、とかそういう所
よりこっちが気になっていたという。

 で、その時「それ、面白いか?」って思ってしまったんですね。ぶっちゃけ、機械文明の世界(イメージ的には
ロスト・ユニバース)にリナとガウリイが移動してきて、見たことのない機械だの建物だのに驚いてわきゃわきゃ
してる姿が描かれて終わりになるんじゃないか、それだと本気でキャラ見せだけの漫画にならないかなあ、と。
「ふゅ~ちゃ~」(仮)のタイトルひとつで即座にそこまで思いこむなよって話ですね、ええ(苦笑)しかも最初に
目に入ったネタバレが「給茶機とガウリイ」だったから更に訳の分からないことに。これを見た瞬間「きゅ、給茶
機?」って物凄い勢いで?マークが飛びましたです私(笑)機械だの何だのに驚くスレキャラたちってのを多分
やってるんだと思うけれども、何故給茶機?ハイテクノロジー時代に行ってるっぽいというのに何故そこで給茶
機?って。それがあまりにも気になってそれで1巻に手を伸ばしたという。ということで、ライト・マジックを読めた
のは給茶機のお陰(笑)何だかんだ言っても「児童向け」「メカ」という超大胆アレンジが加わってるので、「剣と
魔法の世界」が染み付いてる頭では中々素直に手を伸ばすのは難しかったのです。給茶機っていうあまりにも
予想外なワードに引っかからなかったら流石に多分スルーだったと思う、これは(笑)

 でも実物を読んでみたら全然違ってて、そして大拍手。熱い、熱いよこの漫画!リナは徹底的に格好良くて
どんでん返しに可愛くて、ガウリイは強いお兄さんで、そしてライト君は純粋で真っ直ぐ。格好良さと強さと真っ
直ぐさ、この3つが揃った辺りが正に少年漫画。でもって端々に細かいギャグだのネタだの書き込みだのが入
りまくるあたりがスレイヤーズ!お色気要員がリナじゃなくてガウリイなのも正にスレイヤーズ!(爆笑)

 そしてタイトルの「ライト・マジック」に心底納得。うん、この漫画は本当にこの名前だと思った。1巻は「ライトと
魔法」で、そして2巻は「ライトの魔法」。ひたすら格好良いリナに主人公部分を全て持ってかれることはなく、全
9話の短期間でガンガン成長、そして最後には主人公として完全決着を付けてのけたライト少年。ああもう何と
いう正統派少年漫画主人公、青臭い理想論万歳!そこが良い、少年漫画はそこが良いんだ!何て分かってる
のライト・マジック……!(ばしばし)しかもライトがヒーローゲージ満タンになった瞬間、リナがいきなり可愛く
攻めてきたんだからしてやられた……!額って、額にキスって!何という免許皆伝!(落ち着け)それに何より
この直後の別れの挨拶がどれだけリナだったか。「しゃきっとしなさい。別れる時は笑顔でいるものよ」というこ
の笑顔、この言葉。この時、本当に何の疑問も無く「あ、リナ」って思った。いや、読み始めたときからリナだとは
思っていたのだけれども、それはどこか「『ライト・マジックの』リナ」と思っていた感じがして、終盤まで何となく
身構えていた所があったようなんですが、この瞬間それがすっと解けた。うん、これはリナです。そう思わせて
のけたライト・マジックに乾杯、そして降参。ありがとうございました!ああもう本当に、ファルシェスに続いてもう
一度降参と思うことがあろうとは思ってなかった……!(ばしばしじたばた)

 でもってファルシェスの時にも思いましたが(今まさかこんなものが!という興奮を覚えた点が共通してるの
で、どうしても出てくる)どんだけ分かってらっしゃるんだろう、この方。だってゼロスの回想に出てくるのがラー
シャートですよラーシャート!(笑)2巻に渡って何度と無く出てくるけどアニメ登場できずのお陰で印象の薄い
ラーシャートですよ!(爆笑)ちなみにこのコマ見て驚いて原作7、8巻をめくってみたら、何気に3回もきっちり
イラスト化されてたことに今更気付いて更にびっくり。うわあもう、ここでも想像の斜め上を行かれた……まさか
今ラーシャートがメディアミックスに登場することがあろうなどと誰が予想したでありましょうか!(だから落ち着け)

 ところで、この作品、そもそもは「ライトがリナの魔法の弟子になる」から始まったのですが、そちらは気付け
ば「魔法」の部分が消えていましたね。その消え具合がまた上手い。ライトが成長するごとにどんどん「教えて」
って言わなくなっていって、結局最後にモノを言ったのは意志。魔法が消えて、残ったのは「リナの弟子」である
ということ。ええもうこれだけで十分、多分最初で最後の公認の弟子だと思う、本当何というレアな立場なんだ
ろうかライト……!しかしアレですね、魔法を教えて欲しかったなら、「弟子にしてくれ」じゃなくて「生徒にしてく
れ」と言った方が良かったんじゃないですかねライト君。「弟子」ってなんとなく無理難題を言いつけられまくっ
て苦労するもの、というイメージがあるんですが私(笑)だから使い走りだの洗濯だのが回ってきたんだよ、と。
ああっそういえば使い走り!たい焼き!剣と魔法の世界から来たリナに公式で餡子食べさせたのってこの方が
多分最初だと思う万歳!(笑)でも、ライトとリナの関係は確かに「師匠と弟子」そのものだよなあ、と思う。他に
言いようがないですもん、この二人。

 そして誰かの師匠になったリナってのも初めてかもしれない。ナーガですら色々なひとの師匠になっていると
いうのに(笑)けどしかし、誰かの先に立つリナ、お姉さんなリナ、これが見ててまったく違和感無かったんです
よね。多分なんですけれど、スレイヤーズ読んだ人で、自分がリナより年下って感じる人ってあんまりいないと
思う。そりゃ年なんて軽々越えてしまってるのだけれども、何時になろうとどうにもこうにも追い越せる感じがし
ない、リナは。だから多分、ケロケロの本来の読み手なライトと同年代の少年少女だけじゃなくて、成人した人
たちが読んだって、すんなり「師匠」「お姉さん」と、少年少女と同じように思えるんだと思う。凄いなあ、リナ。

 後そして終盤で呼ばれた彼らもすごくらしくて良かった良かったそしてびっくりした(笑)まさかここに来て来る
かああもう総力戦!って思って喜んでました。そして最終決戦よ!の宣言直後に水をさす彼と彼女らがあまり
にもスレイヤーズでにやり。でもってまともな見せ場コマを貰えた彼に良かったねえと言ってみた。けどしかし
敢えて突っ込ませてもらおう「話が早いわ!」って言ってますけど、そもそも最初に「最終決戦よ!」の流れに
水をさしたのは彼ですよ、リナ?(笑)とか何とか言ってたら最後のオマケページのキャラ紹介で爆笑した(笑)
リアルにコタツに突っ伏した、衝撃でお茶の後唯一卓上に出しっぱなしだった砂時計(実用)が台座からすっぽ
抜けた危なかった(笑)「苦労の絶えない人」とか「かわいそうな目に会う人」じゃなくて「色々とかわいそうな人」
って……な、何て、分かってらっしゃるの……!(ばっしばっし)←外道

 そしてこの総力戦、「最後の突破口は あたしがひらくッ!!」と言い切るリナ、そして発動する神滅斬!こん
なに痛快無比な新滅斬って、もしかしたら初めてかもしれない。これぞまさしく「かいしんのいちげき」。ああもう
どこまで格好良く攻めてくるんですかもう!

 と、隅々までお腹一杯楽しんで、漫画を読むときの恒例最後のカバーをぺらりと剥がしたら四コマまで細かく
って更に笑った。ていうかここに何気に居たでもん・ぶらっどが妙に可愛くて、何故一匹しかいないここは四匹
揃ってるべきだー!と思ったら何とその日のうちに他所様のおうちで四匹揃ってえへんと言ってるのを見かけ
ましたばんざーい!(笑)しかしもう、まさかこんなところまでぎっちり詰まってるとは、最後の最後までしてやら
れました(笑)

 
 と、ライト・マジックを読みながらこんなことを考えてました。行ったりきたりごちゃごちゃの文章ですが、せめ
て面白かった!が伝わればと思います。手を出すのは色々ためらいがありましたが、そして完全外伝だ、って
いう割りきりがないと無理でしたが、読んでみたら読めたことにためらい無く感謝でした。

 最後にもう一度結論。してやられました。そして、大満足でした。

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