以下、システム的なネタバレがぽつぽつありますので、OKな場合は続きへどうぞ。
まずヒロファンにおける重要な要素「ブレイブ」について前置きを。
ヒロファンは超強いキャラ達の競演ゲームです。こうしたゲームでしかもRPGだと、キャラの育成をどうするか?という問題が出てくる訳ですね。
RPG的作品はキャラを動かし経験を積みレベルを上げ、それによってボスキャラに勝てるようになる!という育成過程を楽しむものですが、登場キャラがレベルアップ済状態の強キャラだとそうもいかなくなります。過去、スレイヤーズもゲーム化するに当たりこの辺には随分悩まれたようで、ろいやるは敵を倒すと「シンボル」が出てそれをタイミング良く拾うことでパラメータUP、わんだほーでは「封印石」を壊すことで魔力が戻っていく……といった仕掛けでキャラを育成してきた訳ですね。
ヒロファンの育成も一般的なRPGの経験値システムとは違います。敵を倒すと経験値が入り、レベルアップが行われますが、この時点ではHP・MP・力・すばやさといったパラメータUPはありません。その代わり、レベルアップ毎、もしくはダンジョン宝箱から「ブレイブ」というポイントを1点ずつ得られるようになっています。
例)レベル50:49回レベルアップして49ブレイブゲット&宝箱から5回発見で5ブレイブゲット=54ブレイブ保有中
この「ブレイブ」を各キャラのステータス画面で、どの項目に振り分けるかによってキャラの強さが変わって来ます。例えば、リナ&ガウリイはブレイブ全部を「攻撃」「Hit数」につぎ込んでアタッカーに!ゼルガディスは「守備」「連携」につぎ込んで壁となりつつ手数を増やす!アメリアは「魅力」に全部で回復量を大幅UP!と、各キャラの役割を決めて、それに見合った項目にブレイブを投入、といった育て方をする訳ですね。
このブレイブの割り振りはかなり重要です。てか、これをしないと全然パラメータが伸びなくてボスが倒せない……一周目の序盤、ブレイブの存在に気付かず、初期値でボスキャラに返り討ちに遭いまくり不貞寝したのは私ですよ、ええ。
加えて、ヒロファンのボスは強いんです。というかしぶといんです。割と序盤からボスの体力が2万とか5万とか10万とかして、必殺技をびしばし撃ちまくっても倒すのに30分かかるとか割とザラにありますからねえ。どんだけ打たれ強いんだこいつら(笑)
でもってボスにも色々いるので、こちらも厳選したキャラでパーティを組んで迎撃する必要がある訳です。この戦闘面におけるスレキャラ達は厚遇でした。何しろ、ブレイブで好きなときに好きなように補正し放題とはいえ、元々のキャラの地力が結局重要ですからね。
この地力ですが、リナ&ガウリイは全参戦キャラの中でも間違いなくトップクラスの強さなんですよ。リナは数値上の初期攻撃力が全キャラ2番目の高さな上、命中もそこそこあるので与えるダメージ量がでかく、ガウリイは必殺技の攻撃力が高くてHit数にも優れるためボス戦には欠かせない、という感じ。ゼルガディスは防御と連携が高く、おまけに必殺技を使用すると全体の守備力UP効果も付いてくるというサポート型、アメリアはキャラ中2人しかいない回復技持ちな上、魅力が高くて回復量が多いという風に、4人揃った時、他のどの作品よりも強くてバランスの良いパーティになるんです。
でかですね、スレキャラ4人だけでパーティを組めるようになるのはかなり終盤なんですが(特定エピソードクリアまではパーティ編成に一部ロックがかかっている)、その頃になるとブレイブも溜まりまくり→それを全部ぶちこんだリナさんの攻撃力が鬼→通常攻撃ファイアー・ボール一発で雑魚一掃→(オレ)(俺)(わたし)の立場は……? 状態の4人を見ることができます(笑)スレキャラオンリーパーティを組んだ瞬間にこの状態になって笑った笑った。ある意味超期待に応えてくれましたヒロファンったら(笑)
期待に応えると言えば、ヒロファンの戦闘システムには最大の特色として一度戦意喪失→無敵無双状態で復活、という「英雄モード」が用意されています。このとき、当初デフォルト戦闘BGMだったとしてもスレキャラが立ち上がればPlenty of gritが鳴り響く、といった、各作品キャラ好きには堪らない仕掛けがあり、しかもこの英雄モード時のBGMは音楽データを自分で用意して、1キャラごとに好きなBGMを響かせることができるといった仕込みまで付いているという。私は音源を持っていないので個別設定はしませんでしたが、この辺に拘る方には堪らないシステムのようですこれ。私も音源持ってて手間を惜しまない性格であれば、あれこれやりたかったかもしれません。
ところでこの英雄モード、発動には一度キャラが戦意喪失状態になる必要がある訳で、英雄モードの無敵無双が見たくても、好きなキャラはそもそもそういう状態に陥らせたくないというジレンマが存在したりします。でも序盤~中盤のボス戦は英雄モードなしでは正直無理だしクリーオウの英雄モード=レキビームは凄まじいしドラ・スレ連発したいしうおおおお!と、ジレンマを抱えつつ戦うプレイヤーがここに一人。
で、スレキャラは元々強いわ無意識の保護が働くわであまり倒れず英雄モードにもほとんどならなかった訳ですが。その分打たれ弱いケロロ衆がぱーん→戦意喪失→英雄モード発動しまくったのが私のプレイであります。結果、ザナッファー戦でタママの英雄モード発動。カエルどころかまだまだオタマジャクシな生き物の口から放たれるビームを尻尾ふりんふりんで迎え撃つREVOザナッファー。その背後に鳴り響くケロッ!とマーチ。カオスさここに極まれり。あの時は本気で私何のゲームしてたっけ……?と思ったものでした。しかもうっかりザナッファーにそれでとどめを刺してしまったという。さすがにすまんかったザナッファー……そりゃ浮かばれんわなザナッファー……( ̄▽ ̄;) やり直して光の剣レプリカで締めたからそれで勘弁しておくれ……
この時以来、英雄モードの使い所にも気を配るようになりまして。ここぞという時にここぞというキャラが立ち上がると嬉しかったですねえ。ズーマ戦でリナが立ち上がったときには超興奮しましたもの。呪文と英雄モードは使いよう、やり方次第で何とでもなる!ってやつですかね、きっと。
何はともあれ、リナ&ガウリイで雑魚を一掃、ボス戦でゼルガディスのサポートで守備を上げ、レベルアップに伴い何時の間にかアメリアのリカバリィがリザレクションに進化!という場面が見られる。ブレイブの振り分けによって単純なレベルアップじゃなくて、各キャラの士気の注ぎ所を決められる、といったヒロファンの戦闘システム。触れば触るほど、良くできたシステムだなあと思うようになっていきます。序盤は説明不足な面が否めず、ブレイブの振り分けどころにも悩みますが、全キャラが揃う頃にはその辺を身体で覚えてさくさくっと進めるようになりますかと。
主人公がアドロアス界に戻ってリナ達ファンタジー系作品キャラと合流した頃から、ヒロファンは真価を発揮してきます。使える必殺技が増えてきて、キャラ同士の掛け合いも増え、声優ネタが入ってきたり原作の背景を匂わせてみたり、何気にショップで魔血玉が買えるようになっていたりと(笑)サービス要素がぐんと増えてくるのがこの頃から。一度プレイし始めたら、まずはここまで進めるのをお勧めいたします。うん、ヒロファンやるならここから先をやらないのは勿体ない。
個人的には、ヒロファンは良作だと思います。10作品のクロスオーバー?全然違う世界観と能力のキャラをどう動かすの?と予想もできなかったゲームですが、やってみると予想以上にシステム・シナリオ共に骨組みがしっかりしていて、面白く楽しく遊びました。スレイヤーズキャラの出てくるゲームとしては、相当満足度は高いと思います。
もっとこうだったら良かったのにー!という点はたくさんありますが、そういう点が浮かぶ自体がハマってる証拠ですからね。でなきゃそもそも「……ろいやるやるか」の一言しか出てきませんから。ヒロファンはそういう気分には一切なりませんでした。本当に、予想以上の出来が嬉しいです。
てことでこれを弾みに過去のスレゲーが移植orアーカイブス入りすることを超祈りつつ、2周目クリアに励みます。