狩ってきました

　あ……ありのまま、今日、起こったことを記す。

　久々の完全ヒマ休日だというのに平日と同じ時間に目が覚める。しかし早すぎてやることがない。今
したいことと言えばゲームだが（おい）、流石に朝っぱらからそれはアレ過ぎるわと考え直して腕を組む。

　よし取り敢えず今日は買い物でも行くか、冬服を買い足さないとだしなーと基本方針が決定した所で
適当に準備をして立ち上がる。どこへ行くかは住処を出てから考えよー。

　しばしの間。

 

　気付いたら軽井沢で紅葉を狩ってました。

　いやあ、我ながらびっくりしたって言うか我に返ったときは愕然とした（笑）や、立ち上がったときには本当に普
通に買い物に行く気だったんですが、「そういや乗り換えたら軽井沢だよな……」と呟いた瞬間、何故か足がそ
ちらに。そして気付けば新幹線。降りたらそこは軽井沢。一面の紅葉を前にしてようやく「ちょっと待て－！」と
己に突っ込む。本気で一挙動でここまで来た……夢遊病にしてはスケールがでかすぎる（汗笑）。

　そういや私、２年位前にも起き上がるなり「花が見たい。猛烈に」って呟いて、気付いたら薔薇園に立ってたこ
とがあったんですよねえ。何か発作を起こす周期でもあるんでしょうか。てかそれは一体何の発作なんだって
言うか、ものっそい進行してないか今日のこれ！（笑）

　しかしともかく、紅葉が美しかったのでそれで良し（え）。ということで、期せずして旅立ってきたのでその模様
をここに記しましょう。普段は面倒なのでいわゆる日記は書かないんですが、今日のは記録せずにはおれん（笑）

　さて何で紅葉林に立ってたかと言いますと、これでも一応新幹線に乗ってる間は、軽井沢駅前の巨大アウト
レットに行こうとぼんやり考えてたんですよ。元々の目的が冬服なので、そこで何らかのものを見繕おうと真っ
当げなことを考えてたんですが、降り際に目に入った写真でそれを忘れ去る。
　何でも「石の教会」という、建築家がデザインを考え抜いて作った教会があるのだと。車内に貼ってあったそ
の写真が、石とガラスの風変わりな形状にライトが当てられてとても綺麗。これはちょっと見たいと思い、けど
ルートが分からんどうしようと思ったら、流石そこは観光地。改札すぐに観光案内所が。

　「すみません、ここってどうやって行くんでしょう？」
　「１０分後にシャトルバスが出ます。どうぞどうぞ」（職員様）
　　　　　　　　　　　　　　　　　↓　
　「あれ、この時間の便って最寄りバス停は通過なんですか？」
　「ルートと車両に余裕のある日は停車してご案内しております。どうぞどうぞ」　（運転手様）

　恐るべし観光地。乗り継ぎ＆引率に隙がなさ過ぎる。すごいよプロめ……

　あっという間に丘の上まで運ばれて、教会の周囲は予期せぬ見事な紅葉林。←ここでようやく我に返る（笑）
　しかしこの紅葉はほんとに嬉しい副産物でした。夢遊病のごとくやって来た日がほぼ見頃。多分ほんとの見
頃、深紅になるのは後数日くらいじゃないかと思うんですが、色が紅に移りきる前の橙や黄もまた見事。いやあ
いいもん見た……半端なくたぎった（え？）花だけじゃなくて紅葉でもたぎれることが良く分かった（笑）

ちなみにこちらがその教会。へっぽこな写真ゆえに分かりにくくて申し訳ないん
ですが、石のアーチの合間に薄いガラス板がいくつも重ねられていて、そこと、
正面に大きく切った丸いガラスの窓から陽光が存分に差し込みます。
カーブを描く石畳の路から地下に入り、上ったそこが礼拝堂で、中の石壁には
緑と流水。石と光と水と緑の教会、だそうで正に言葉通りの建築物。結婚式が
終わってから入れて貰ったので、中は挙式用の花飾りがそのままで、良い香り
がしてました。至福。
晴れの日は円い窓から青空が望めるということで、曇り空だったのが本当に惜
しかった……次は夏の晴天の日に来よう。

　ところでここと、その側にあるもうひとつの教会は真横のホテルの結婚式場として使われてまして、丁度私が
側を歩いている時に各１組の新郎新婦が出てきて参列者の方々がそれに嬉しげにカメラを向けまくる。カメラ
の射程範囲内に入っていることに気付いてダッシュで逃げること数回。いや、だって晴れの日の記念撮影に
黒髪黒ニットコートの無関係な生き物が映ってたら悪いと思って……（笑）えと、全部かわしたつもりですが映
ってたらすいませんでした（笑）

　そんなことをしてたらお昼もかなり回ってたので、近くにお蕎麦屋さんを探し出して突撃。胡桃だれせいろは
美味しかった。とても美味しかった。信州って素晴らしい（ブラボー）。

　さて丘を降りてきたら、思い出したことがひとつ。今年ここにとある喫茶店が出来たことを知ってたのです。場
所は分かる、ここまで来たらどうしても行きたい。なので猛抗議を上げる財布の声を押し切ってタクシー乗り場
にGO。乗車。

　「この道路真っ直ぐ行ってこの辺までお願いします。喫茶店があるんです」
　「は、喫茶店？こっちの道に？こんな所に何考えて建てたの？」（タクシー）

　……タクシーの人は観光のプロではなかったらしい（青筋）。

どうにか無事に辿り着いて、巡り会えたのがこちら。このホットケーキがどうし
ても食べたかった……！銅板を導入してホットケーキ焼き始めましたって聞い
て悶えてたんです。移転前のこのお店が出してくれるものにひとつとして外れ
がなくて、行く前から絶対美味しいって確信があったんですよ。このお店、私の
珈琲嫌いまで直しましたもん。や、ほんとに、ここのマスターのお陰で珈琲観が
変わったんです。あんなに美味しいものだなんて知らなかった。
ちなみにホットケーキは美味でした（感涙）。



　帰りはこれ位なら多分いけると思って車じゃなくて歩いてみたら、歩き出して３０分目くらいで足がつりかける
……き、鍛えます。この体のなまりっぷり、マジでちょっとやばい……（嫌な汗）

　へばりつつも駅前に戻ってきて、ここでようやくアウトレットに足を踏み入れる。存在を思い出すまで半日以上
かかった……（おい）そして圧倒的な物量をあれこれ楽しみ、何か買うかなーと思ったところでタイムアウト（日
没）。気温が一気に下がってきたので、これ以上は軽装だと危険と判断して撤収。さよなら軽井沢。

　同じ道を辿って住処に帰還。いやあ良い一日だった！と意気揚々と名産：花豆餡の和菓子とブルーベリーの
お菓子を置いた瞬間、ふと気付く。

　……あれ？冬服は？