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2010/06/27 (Sun)
 「あたし」「わたし」「私」「オレ」「おれ」「俺」――自分が自分を呼ぶ呼称は「一人称」。また 「あなた」「あんた」
「お前さん」「貴様」「汝」といった、誰かが誰かに呼びかける時の呼称は「二人称」と呼ばれます。

他に「三人称」「不定称」と呼ばれるものも有りますね。ただ会話の中で使われるのは、たいていの場合前述
の一人称と二人称です。

この一人称および二人称は会話をする上で不可欠のものです。日本語は便利なもので、こうした「○人称」が
無くても流れで何となく分かるため省略することもできますが、基本的には「あたし」「あなた」「お前」などと呼び
かけることで会話を成立させていく訳ですね。

また、文章においては一人称や二人称をキャラ別に割り振っておくことで、その時誰が話し・聞いているという
状態を一目で分からせることができます。文章を書く人は、何だかんだで少なからずこの効果を期待しキャラ
ごとの使用呼称、特に一人称を厳密に決めている方が多いのではないでしょうか。もしくは最初に厳密に決め
なくとも、書いている内に自然とキャラの使用する一人称や二人称が決まってくるのではないかと思います。

このキャラごとの使用呼称の決定、「誰が」「誰を」「どう呼ぶか」という法則。例によって適当に名付けて『呼称
ルール』。今回はこれについての話です。

 スレイヤーズは呼称ルールを厳密に決めた上で書かれている作品だと思います。なぜならキャラごとの一人
称や二人称にブレがないし、時に呼称が話を進めるカギにもなっている。

まず一人称ですが、これはもうキャラごとにしっかり基本が決まってますね。主人公にして語り手であるリナ
が「あたし」で、ガウリイは「オレ」。ゼルガディスが「おれ」。アメリアとナーガは「わたし」でシルフィールが「私」。
ゼロスだけは「僕」。そしてルークは「俺」でミリーナは「私」。それぞれの性格に合わせた一人称になってます。

ちょっと整理を。メインキャラ・主要サブキャラの一人称を一覧にするとこうなります ↓

リナ      = あたし
ガウリイ    = オレ
ゼルガディス = おれ(俺)
アメリア    = わたし
シルフィール = 私
ルーク     = 俺
ミリーナ    = 私
ミルガズィア  = 私(我)
メンフィス    = 私
ナーガ     = わたし
 
 「私」「わたし」を使用するキャラが複数、また「オレ」「おれ」「俺」といった音が同じ一人称を使用するキャラも
複数いる中、リナだけがきっちり文字も音も異なる「あたし」ですね。この辺が主人公の特別さといった所かと。

ところでゼルガディスとミルガズィアさん、この二人だけ( )で囲ったふたつめの一人称を書いてるのはです
ね、この二人は一人称が二種類ある状態なんですよ。特にややこしいのがゼルガディス。ややこしい、この岩
は本当にややこしい。岩の一人称は1・3巻では「おれ」、6・7・8巻では「俺」、そしてSP18巻の外伝で「おれ」
な上に、5巻では基本「おれ」時々「俺」なんですね。貴様は一体どっちなんだ。一度正座させて小半日ほど
問い詰めたい
。本気でな!……まあ一応、多数使用は「おれ」で今の所一番最後に登場した外伝もこっちだっ
た……あ、せれくと4巻のオビも「おれ」だった(笑)ので、基本は「おれ」ですかね。でも一部の中・終盤は「俺」
がメインで使用されてる巻上、5巻は見せ場に限って「俺」だったりするので、こちらも結局岩の一人称として認
定せざるを得ない訳です。

ちなみにミルガズィアさんは「私」も「我」も全体通して同数くらいです。こちらは普通に併用してるのね、と思う
位で特にややこしいとは思いません。や、要は岩がややこしすぎる訳です。うんそれが全て悪い(笑顔)

さて、二人称。これもまたキャラごとに使用するものがある程度決まってますね。こちらは話しかける相手
キャラとその場の状況・気分によって変化があるので一概にこれ、とは言えませんが、それでもある程度の
ルールが読み取れます。

例えばリナ。リナの二人称は「あなた」「あんた」が基本ですね。出逢った頃のガウリイに対しては、名前で呼
ぶ時以外は基本的に「あなた」。ある程度付き合いが長くなってきてから徐々に「あんた」の方が多くなってきま
す。最初から「あんた」では無いわけです。また、アメリアやゼルガディスに対しても同様ですね。ちなみに対
ルークの場合は基本「あんた」。喋る時=口喧嘩か用事な関係が基本だったので「あんた」ばかり使ってるとい
う訳でしょうか(笑)

こんな感じでリナは「あなた」「あんた」を使ってますが、「てめー」だの「貴様」だの「旦那」だのは使わない訳
ですね。まーこの辺は口調が丁寧か乱暴か男性か女性かによって変わる訳なんですが(笑)それでもこの辺
はリナの使用する二人称とはされていない。そういう法則が読み取れます。もっと細かい所を言えば、アメリア
やシルフィールは「あんた」を使わない、ゼルガディスは女性キャラに対して基本「あんた」と呼びかける(アニメ
版ではこの場合基本が「お前」)、ゼロスは誰に対しても「さん」付けだし、どのキャラもミルガズィアさんに対し
て呼び捨てせず「さん」付けする。また、親しみのある相手には「お前さん」や「おじさま」「じい」といった二人称
が使われますし、その①で述べたようにリナだけが「ゼル」を使う、といった法則もありますね。この辺ほんとに
きっちりしていて揺るぎがない。誰がどんな二人称を使うかっていうルール、呼称ルールが何気にきちんとして
るんです。

また、二人称におけるルールが一番厳密に決まっているのは魔族だと思います。ここは本当に意図して厳密
に管理してるんだとうなあと思ってます。

何かというと、魔族は上司と認めてる相手に対してはきっちり「様」が付いてる所なんですね。で、上司でなく
なるとこれまたきっちり「様」が無くなって呼び捨てになる(笑)「自分より強力な魔族かどうか」でなくて「自分の
上司かどうか」で変わる所がせちがらいというか何と言うか、そこまで己が相手をどう思ってるかを明確にしなく
てもいいだろうにと思うくらいの厳密さ。何て言うかなー、さすが精神体、己が相手をどう見なしてるかを常に明
確にする生き物なのねー、そういう風にできてるのかしらねーと思いつつ読んでます(笑)

でもこれは本当に厳密なルールだと思うんです。7巻でゼロスは魔王の腹心の名前を順々に挙げる中で離
反したガーヴだけには「様」を付けませんでしたし、逆に離反側だった4巻のカンヅェルは魔王を「シャブラニグ
ドゥ」と呼び捨てにしています。上位魔族のゼロスだけでなく中級魔族のカンヅェルですら魔王を呼び捨て。こ
こから魔族の様付けは力の大小によるものでなく、上司と見なしてるか否か、っていう点だと分かるんですよ
ね。で、7巻のリナはこの「様」付けがなかったことからガーヴの離反を読み取ってゼロスにそう切り出した、と。

正直7巻のここはリナさん情報の欠片から話が飛びすぎと思うんですが、しかし呼称ルール的には美味しい
場面であります(笑)魔族は上司と見なさない相手には様付けしないっていうルールがはっきり明言されたよう
なものですからねー。呼称フェチから見れば実に美味しい場面でした(笑)

さてこんな感じの呼称フェチの運営するサイトですので、本館テキスト部屋におけるキャラの呼称ルールは
実は厳密に設定してたりします。というか、共鳴における最重要事項のひとつです(笑)

基本原作のルールに沿って設定してますので、各キャラの一人称は上の一覧の通りですね。ただ岩だけ
は「俺」に統一しています。多数および外伝が「おれ」なので本来こちらにすべきなんですが、諸々悩んだ結果
こちらを採用。要は漢字の方がまだ格好が付くんじゃないかと思った。ミルガズィアさんは一人称を「私」「我」の
同数ぐらいで、複数形は必ず「我ら」にする(「私たち」にはならない)とか。一人称に関してはそういうルール
が決まっています。

また二人称に関しては、アメリア→リナは原作準拠で「リナ」と呼び捨てにすること、原作初期の頃を想定して
いる時はリナ→ガウリイで基本「あなた」、後期は基本「あんた」にするとかですね。後はゼルガディス(……ま
だあるんですよこの岩は。ややこしい)は女性キャラを全員「あんた」呼びで「お前」は使いません。

複合ケースとして、本館には絶対出番が無いのに何故かフィリアの呼称ルールが決まってます。一人称が
「私」で、二人称は「貴方」もしくは「貴女」。他のキャラは「あなた」と平仮名なのに、何故かフィリアだけ漢字し
かも男女で字が変わることになってます。何て言うか、これぞムダ設定の極みだと自分でも思います……いや
まあ呼称ルールにムダなどないと思いますが。信じてますが。単なる趣味だから楽しければそれでいい(笑)

後、地の文では絶対にキャラの名前を略しません。これ基本だと思うんですが、なぜか外伝朧月草紙では地
の文が「ゼル」と半分以上略されてるんですよねえ。あの揺らぎっぷり、何度読んでも大変納得が行かない
のですがどうしたら
。せれくと収録の際には統一してくれないかと心底思ってたのにー!(じたばた)ま、それ
は今後も言い続けるとして(やめろ)この「ゼル」便利なんですよねえ。ちなみに私、諸録で喋ってるとき、原作
系の話をするときは岩を「ゼルガディス」、アニメ系の話をするときは基本「ゼル」で喋ってます。これは単に今
どっち系の話をしてるかなーどっち準拠の設定で喋ってるかなーと頭の中で混じらないように区別する練習をし
てるつもりなんですね。えーと、要はふたつ通じる呼称があるのでせっかくなので使ってる訳です。突き詰めれ
ばこれもまた単なる言葉遊びでございます。ふたつあるって遊べていいですねえ(笑)←そういう問題か

てことでこうして呼称ルールを読んだり決めたりして楽しんでおります。この呼称ルール、一度こうと決まった
ら余程のことが無い限り変化しません。何か認識の変わる出来事、イベントが無い限りは常に一定です。だっ
て、しかと決まってるからこそ「ルール」と呼ぶのですからね。

しかし、時に作品中においてキャラの使用呼称が変化する瞬間が描かれることがある訳です。こうした場面
はまた特別であり、好物です。

ということでそうした場面、『呼称変化』と呼ぶイベントについては別項で語りたいと思います。

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