9月24日の放映をもってREVOLUTION全13話の放映が終了。時間が経つのは速いもので、第5期
EVOLUTION-Rの放映まではあと一月足らずとなりました。
さて、時間が経って己の頭の整理がやっとついた所で、REVOLUTIONを振り返ります。いわゆる総括と
いうものかもしれません。本来ならば第5期EVOLUTION-Rと合わせた全26話を見て総括をしたいものと
考えていましたが、第5期のAT-X放映のみが確定したこと、もしかしたらDVD等も発売されない可能性も
あることを考え、やっぱりREVOLUTIONとしての総括を書くことにします。
いや、何のかんの言ってもつまりこういう心境ですね。これを書かずに2008年が終われるか。
さて、始める前に少し前置きを。
REVOLUTIONは見る人に色々な意味で衝撃を与えた出来でした。面白かったと全部見ていた人もいれば
途中で見るのを止めた人、というか見られなくなってしまった人もかなりいたのではないでしょうか。
私は最後まで見ましたが、正直危なかった1人です。放映中の己の心境の変化を振り返ると以下の通り。
序盤 3話までは笑いながら見た。
4話で心が折れて這い上がった。
中盤 5話からは祈りながら見た。
終盤 9話からは肩の力を抜いて見た。
・・・・・・肩の力抜けるまでに8話もかかってたのか・・・・・・_| ̄|○
という訳で、サイト公開頃には既に肩の力が抜けていたこと、でもって書くと長すぎる上に自分にあまりにも
ダメージが来ることが分かりきっていたので敢えてスルーしたり(略)で終わらせた部分も色々とあることを
ここに書いておきます。今、各話の感想を見返すと、自分でも逃げてるなーと思う箇所がかなりありました・・・
なので己の頭が冷えた今、後出しですが色々書かせていただきます。
読もうかなと思って進まれる方は、その辺りを踏まえておいて下さると幸いです。
さて、前置きはこの位にして本題に入りましょう。項目ごとにつらつらと書いていきますが、マイナス意見の
塊の部分は見出しの文字を赤くしてあります。ここではかなり私情も入りまくりなので、そういうのが嫌いな方は
飛ばしていただけると助かります。
それでは。REVOLUTION最終感想、スタート。
・総括
はじめにREVOLUTIONの感想を一言で表しておきます。それは
パーツは良かった、だが全体はいまいちだ。
というもの。
何故そう思うのかは、以下個別項目についてそれぞれこんな風に感じたからです。 かなりとりとめもなく
長々と書いていますので、本当に興味のある方だけ御覧ください。
・REVOの声
REVOはキャストは間違いなく最高でした。変わらない4人と+1人が実現するだけでも十分奇跡的なのに
ポコタとオゼル、ズーマとデュクリス、ワイザー、これだけ多くの新しく登場したキャラたちの声もぴったり
嵌った。そして林原さんの作り出したOPとEDの素晴らしさ。特にED:REVOLUTIONの今や合言葉となった
「終わりはしない」という言葉。これらの声が、歌が聞けたことは、本当に奇跡だと思います。
これは、文句無く高評価できるものの一つです。
・REVOの位置付けの迷走感
REVOLUTIONは、どういう位置付けであったのか正直今だに釈然としません。新規に向けて作られた
のか、それとも古参に向けて作られたのか?本当に中途半端。新規に向けては説明不足、古参に向けては
引継ぎ不足という感がどうしても否めない。一言で言うなら「お約束の継承、世界観の不継承」という感じ。
REVOは、お約束は継承されてたと思います。お約束、すなわち「ここではコレが来るだろうな、このキャラ
だったらならこう動くだろうな」というもの。第1話の竜破斬(これはお約束を敢えて捻って来ましたが)に、
ゼルガディスとアメリアのW崩霊裂、セイルーン親子平和主義者クラッシュ、などなど。そういうものが出る度
待ってましたーと楽しみはできました。新規の方も、こういうギャグ面等は説明も要らずに見られたでしょう。
ただ、世界観は不継承。最大のものは言うまでも無く無印ザナッファーやコピーレゾ戦の出来事のスルーっ
ぷりですが、その他にも色々ちらほら。そういうものが見える度に「これは本当に前3作から続く時間の出来事
か?」と首を捻る場面が多かった。
でもって、これは明らかに後編として残されているEVOLUTION-Rも含めての話なんですが、最終的に
どこへ向かっているのかがやっぱり分からない。放映前の噂では「原作第2部+ズーマ+デュクリス」で構成の
オリジナルストーリーだということで、原作13巻の終了時点までをルークとミリーナの代わりにゼルとアメリア
を登場させてやるのかなーと思ってたのですが、実際のレボは「原作5巻の邪教集団⇒ルヴィナガルドに変更
+ズーマ」で、結局ザナッファー関連の話で手一杯。そしてEVOLUTION-Rでは残るズーマのエピソードと
レゾの壷で構成されるようで・・・わ、分からん。本当に、どこでどういう終着を迎える気なのか?
思えばTRYもオリジナルストーリーでしたが、こちらは最初から、最後はVSダークスターという事は分かって
いたので、終着点を心配することだけはありませんでした。けど、REVOとEVO-Rは本当に、終着点が
読めないという点で不安にさせられます。でもって、REVOは結局ザナッファーを倒しただけで終わって全て
EVO-Rに持ち越しなので、EVO-Rでは今度こそどうにか終着させなければならない。どこを目指して
進んでいくか予想がつかないEVO-Rですが、今度こそは終着した、と思わせてもらわないと困ります。
・国と国 ルヴィナガルドとセイルーン
今回は国と国とのままならなさ、ということに少なからず話が及びました。けど、それを描こうとするなら
セイルーンの扱いが軽すぎたような。
まず何より私が納得が行かなかったのは、一番最初、何故ルヴィナガルドからセイルーンに向けて、
「リナ=インバースと引き合わせて欲しい」という要請が行ったのか?これがどうにも不自然です。
本来、リナを探し出そうとするなら魔道士協会に要請が行くでしょう。リナはある意味ファンタジー物主人公の
お約束を逆手に取って、来歴は滅茶苦茶普通です。ゼフィーリア王都で生まれて育ってそこの魔道士協会で
勉強して普段はフリーで旅をしている民間人。本人も出身地だの何だのを別に隠していないし、調べれば
一発で分かること。つまり、身元が物凄くはっきりしている。リナに連絡を取りたい、または召喚したいと思えば
所属するゼフィーリア王都魔道士協会に連絡して、各地の魔道士協会にメッセージを送ってくれ、と要請する
のが一番自然なはずです。真面目に考えてしまえば。
というより「一民間人と引き合わせてくれ」程度のことを、何故小国のルヴィナガルドが大国のセイルーンに
要請するのか?言ってしまえば、この程度のことを正式に大国に要請するなんて面倒を背負い込むことを
するなんて思えない。普通ならこの程度のことで大国セイルーンに話を持っていこうなんて、誰か(この場合
多分ワイザー)が言い出しても絶対にどこかで止まるはず。民間の魔道士協会に要請するほうが面倒無いし
それが筋だろう、ということで。
2話で説明を聞いたときからこういう疑問はありました。でもって、その要請があっさり通り、船団まで出す
セイルーン、王権代行者として王女を使わすセイルーン。そして8話でリナと一緒にその王権代行者の王女を
逮捕して投獄するルヴィナガルド。REVOでは、アメリアがセイルーンという国を背負っての登場であること、
国と国との関係がややこしいことに触れられているのに、セイルーンとその代表のアメリアがルヴィナガルド
に軽く扱われすぎているのが正直釈然としませんでした。新規の方は、ルヴィナガルドが大国、セイルーンが
小国と思われたんじゃないでしょうか。
本当、ルヴィナガルドに何か借りでも作ってるのかと思うくらい大国セイルーン側だけが遠慮してたような。
何だろう、TRYの船団作る時に特産のルヴィナ杉(船のいい材料になるらしい:SP「理由無き冤罪」より)を
伐採させすぎて環境破壊でもやらかしたとか?(笑)と、そんなどうでもいいことを考える位、セイルーンの
扱いは軽かったです。
まあ、アニメだから、REVOだから、そうしないとアメリアとゼル動けないから、という魔法の呪文があるのは
分かってますが、この辺はどうにも不自然な印象を受けました。
・魔の4話
何よりも語らねばならないのがこの4話。各話の感想を書いていた時は、正直思い返すだけでも超ダメージ、
書き記すなんて絶対無理、と完全に体が拒否したので後半は完全スルーで逃げました。今だにこの時の
ショックだけは思い返したくもありません。けど、言い残さずには居られない。
思えば、1話から3話までは良かった。というよりも、開始前にどんな改変をされるか怯えつつ1話を待ち、
そうして迎えた第1話が余りにも変わらないアニメスレイヤーズだったことの喜びが強くて、心配を一度捨てて
しまったことが敗因だったかもしれない。(いや、敗因とか言う時点でおかしいのは分かってるんですが)
3話までは本当に、時折引っかかりを覚えて頭の中で警鐘が鳴っても「話進んでないけど大丈夫かなー」
程度で笑い飛ばして、疑問を直視しないでいることができました。
けど、4話で打ちのめされた。
意味の無い山狩りに勤しむリナとガウリイ、器を放り割るリナ、単なる頭の悪い暴れっぷりを発揮した
後半のリナと言いなりガウリイ・・・あ、文字にしたらやはり今だに超ダメージが・・・・ともかく、これを見て、
一気にREVOの状態に気付いて直視してしまったことで、正直再起不能になりかけました。
当時の心境はもうこんな感じ。
駄目だ
もう勘弁してくれ。
正直、倒れた。心が折れた。何しろ私は次の日の記憶が殆ど残ってません。何ていうか、ひたすら呆然。
泣きたいけど泣くのも馬鹿らしい、という状態で、まさかスレ関係でこんな日を迎えるとは思ってませんでした。
そしてすみません、ここから超私情。
私は7月中旬にサイト開設を決めました。実は2004年にも自PC内でスレサイトを作って公開しなかった
んですが、今年様々なものに刺激され、これを元にもう一度と思い共鳴の開設準備にかかりました。
その直後に魔の4話。サイト準備で己のテンションが上がっていた筈なのに、それを一気に忘れさせるほど
衝撃を受けて、本当もうどうしようかと。この数日は思い返せば自分でも引くくらい落ち込んだ覚えが(苦笑)
ともかく、これだけのダメージが来るならばもう見るのは止めよう、と思ったものでした。
そんな状態だったので、過去作品コミックの塊「レジェンド」でも読み己を慰めるか、とこれを手にしましたが
ここで予想外の「ファルシェスの砂時計」が登場。これを読んで、何とか必死に己にこう言い聞かせた覚えが。
「待て待て揺らぐな諦めるな。待てば海路の日和あり」と。思えばこれが後々最後までREVOを見るとき
言い聞かせていたことでした(・・・というか、ここまでダメージを与える話って・・・作ろうと思っても中々作れま
せんって・・・)
そして、もう何も起こってくれるなと祈りながら迎えた5話。ここでやっと本題に入ったこと、個人的食らいつき
ワード「レゾ」が出てきたことで何とか這い上がりました。私はNEXT26話を見た次の日、原作を初めて手に
取って、1巻と3巻を立て続けに読んで物凄い影響を受けています。当然、レゾという人物にまつわる出来事に
ついても思い入れが深いし、共鳴でゼルガディスの扱いが大きいのはこのためです。なので、この5話で
REVOにはレゾの影があるのなら、とりあえず最初の決意どおり最後まで追うことはしなければ・・・と思い、
最後までついて行きました。
いや本当に、どれだけアニメ1つに振り回されてるんだアンタと思われるでしょうが、当然です。この件に
関しては本人が一番ドン引きしています(苦笑)
本当今だから言える。サイト準備で己のテンションを上げていなかったら、ファルシェスで予想外の驚愕が
なかったら、5話にあの内容が来なかったら。これだけ要素が重ならなかったら。
間違いなく私はここで脱落していた。
4話はつくづく分水嶺でした。多分、ここで同じくダメージを受けてREVOを見られなくなってしまった方も
多かったんでしょう。ただ、ある意味序盤のここで這い上がったおかげで、その後はもう心が動じなくなったと
いうか、何が来ても受け流す覚悟ができたというか(苦笑)その点では、うん、役には立ったと言うべきかも
知れない。4話、ありが・・・とは、流石にどんなに血迷っても言わん。
・REVOの食事
えーとすみません私は基本的に人並み以上に食い意地が張ってます。だからこそこれでわざわざ一項目
設けたくなるのかもしれません。けどREVOの食事はやっぱりなってない。茶色一食でともかく肉を食わせて
おけばいいだろ、という感じが出ていて、一度も美味しそうとは思えなかった。いや食事の彩りだけでいうなら
7話の豪華客船のお昼ごはんは一応ちゃんとしていたのかもしれないけど、美味しそうには見えなかった。
あれは何て表現すれば良いんでしょうか、えーと、絵に描いたごはん?(いや当然だって)綺麗なんですけど
食べ物らしい感じがしないといいますか、前3作と違って、こちらまで食欲をそそられる感じがしなかった。
思えば前3作、やっぱりNEXTはこの点素晴らしかった。茶色でも照りがあって付け合せのバターコーンまで
しっかり描いてあったニョへロンの焼肉とか、白ネギの輪や海老に熱が通った様子までしっかり表現されてた
ニャラニャラの鍋とか!お肉単品でもちゃんと毎回レタスが敷いてあったこととか!TRYだってブイヤベースっ
ぽい鍋とか買い食いしている果物だって美味しそうだなーと思わせたのに、REVOはこの点駄目すぎる・・・
どう言えばいいでしょうか。ある意味、REVOの製作状況やスタッフに余裕がないことが表れたのが、この
食事の描き方だったのかな、と。余裕とか愛情とか遊び心が足りない感じがここに表れてしまっていたように
見えたんです。ともかく食べ物と食べる動きがあって、食事シーンっぽく描けてれば大丈夫だろ、というような
感じで、スレにとって食事は重要だから力を入れよう、いやそれ以前に、美味しそうな方が良いよね、という
愛情をもって描かれたものじゃなかったと思う、あれは。
あと、食事シーンの重要性が分かってない。分かってたら魔の4話で器を放り割るようなことしない・・・いや
この件に関してだけはREVOとかスレとかリナとかそういうもの超えてマジで許さない。それは置いといて、
食事、あれはバトルとバトルの繋ぎの時間とかじゃなくて、ファンにとっては色々期待しているものなのに。
アニメに期待するもののひとつには「日常が見られること」があると思うんです。それはキャラがただ道を
歩いている姿だったり、他愛無い掛け合いをする姿だったり、そして何よりも一緒にごはんを食べている姿
だったり。こういうものが見たくて二次では幾多の小説や絵が生まれています。こういうちょっとした日常の
一コマが映像で見られるのがアニメ。REVOでもこういう情景が見たいなーと思われていた筈なのに。
余談ですが、私、NEXTの2話の食事シーン大好きなんですよ。がつがつぺちゃくちゃ!と食べまくりつつ
喋りまくる3人にゼルが「喰うか喋るかどっちかにしろ!」と怒鳴って、一瞬ピタッと静止した後、迷わず喰う方を
続行する3人(笑)「悪かった。喰うのを止めて喋ってくれ・・・」と頭を抱えるゼル(笑)一発でアニメの4人の
性格が見えて、どれだけ笑ったか。またこういう情景をやってくれないかな、と期待してたんです。
なのにREVOは。全員がまともに同じテーブルに着いたのすら一回ってどういうことですかー!楽しい
食卓を、親密な情景を、一度くらい描いてくれても良かったじゃないですか。私の期待を返せマジで!
EVO-Rでは、一度くらい楽しい食卓を描いて欲しい。食事シーンが素晴らしければ、それだけでファンの
評価が加算されるのがスレイヤーズなんですから。本当に。
・音楽
・・・・・すみません。これについてだけは最後まで逃げさせて下さい。語りだしたらいつまでも終わらないし
関東大移動の時にサントラその他を手放してしまい検証もできない身では何も言う資格は無い。
けど、一言だけ。
一言だけ言い残しておきたい。
REVOスタッフには 金色の魔王=何か凄いの≒ザナッファーという公式でもありまし た か・・・?
違うわ
・REVOの魔法と戦闘 8話と13話
レボには珍しい呪文が多かったです。ポコタの使った炎霊滅鬼衝(ルーン・フレイア)、シルフィールの
使った炎呪封殺(フレア・シール)などなど。原作でも1度しか使われなかった呪文も時々出て、マニアック
だなーと思ったものでした。
・・・しかし、そんなマニアックな面も見える一方、どうしてあんなに間違った使用法が多かったのか・・・
回によって落差が大きすぎました。というか、レボスタッフは精霊魔法/物質フェチだったんでしょうか?
黒魔法や精霊魔法/精神は「お約束」の竜破斬と神滅斬、崩霊裂、という以外ほとんど出てきてません。
一方精霊魔法/物質は多彩でした。しかし、多彩なのはいいんですが、本当に使い方が色々相応しくない。
なまじ第2話で、森の中なので風と氷ばかり、という正しい魔法戦が登場したので、期待した分その後反動が
なかなかに凄かった。
特に8話はこのおかしさの集積です。ゼロス(魔族)には効かないものの連打。威力も何も無い崩霊裂の
描き方・・・精霊魔法/精神好きとしてREVOの魔法には色々と納得が行きません。あと、多彩だけど微妙に
使用法に疑問をもつ精霊魔法/物質の描き方・・・あれは、何というか、スレの魔法をあまり知らない人が
色々参考資料を見ながら無理やり描いていたような感じを受けました。「えんさい」片手に描いてるのかな?と
いう感じ。ともかく、魔法の不適正使用や、切羽詰った感のあまりない戦闘シーンが多かった。魔法や戦闘が
出てくるたびに、今回は正しく描いてくれるかなーと心配しつつ見て、一度くらい良い意味で予想外に度肝を
抜いて欲しいなあと思ったものでした。
それが叶ったのが13話。集団浄結水+氷の矢!最後に勝つのは数の暴力(笑)神滅斬+光の件レプリカの
合体技。最終戦でまさかこういう仕掛けをしてくるとは。本当にもう、他の話で魔法と戦闘に力が入ってなかった
分が全部ここに回ってきていたような力の入った総力戦(笑)REVOで、この13話の総力戦の部分は文句無く
高評価。スレ全シリーズの中でも屈指の派手さ、意表を突く魔法。こういうものが見られてどれだけ嬉しかった
ことか。多分この総力戦がなければ、この項目も赤字にしてもっと不満をぶちまけてたと思います(笑)
・リナとその声 作り手の愛情
リナについては、OP前の最初の語り、「威風堂々傍若無人」でちょっと警鐘が鳴り、大丈夫かなーとは
思いました。で、2話でのキレ方、魔の4話別人への変身、といったことがあってしまいまして一度どん底まで
落ち込みましたが、その後、5話からはキャラクター観に何とか修正が加わっていき一安心。10話からは
ちゃんとリナだなーと思って見ることができ、そして12話の啖呵、13話の指揮官ぶりと神滅斬の叫びの声、
この辺りは本当にいい姿を見させてもらいました。まあ、こういうものを見ていると、やっぱりREVOは林原
さんの声、そしてこのために生み出したOP、ED曲が何割も支えてたんだと思います。REVOの良イメージ
部分は全く、林原さんが作り出した所が大きいです。REVOでのリナの声・OP・ED、何より「終わりはしない」
の言葉。そしてREVOを機に働きかけ、作り出したMEGMIX・・・本当に、何度感謝を言っても足りない。
何度でも言います。林原さん、本当にありがとうございました!
変な話ですが、REVOは、作り手のスレへの愛情の差が極端に表れた一作だったと思います。
10年以上にも渡りリナ達の声を担当し、スレとの関係と愛情が深まっていたであろう林原さんをはじめとする
キャストの皆様は、変わらないスレイヤーズを作ろうと一生懸命動いて下さったんだと思います。けど、脚本や
音楽、魔法、そうしたものは、どうにも作り手が理解してない、全力で取り組んでない、としか感じられない
部分が多々ありました。これを一言で表してしまえば、REVOへの、スレへの愛情が感じられなかった。
言ってしまえば、アニメを作るのは商業です。余裕も時間も多分資金も絶対足りなかったであろう中で、
商業、仕事として関わってきた新しいスタッフに、いきなり愛情をもって取り組んで欲しい、と期待する方が
無茶なのだとは思います。数年前から自分が仕事に就いたこともあって、それがどれだけ難しいことか、
頭では理解したフリをしています。けど、REVOは、古参のキャスト、古参のファンが集う場であったことは
事実で、そこで愛情の無いものを見せられてしまえば、当然物凄い反発が生まれます。
だって、10年、あるいは20年、爪を牙を砥いできた我々ですよ?妙な点があれば一発で見抜きますし
長い時間をかけてスレイヤーズと名の付くものへの関係を育んできたために、思い出や思い入れはそれぞれ
半端じゃない。そこで迂闊なことをされれば、どれだけの反発を生むか、どれだけショックを与えるか。それを
想像できないまま作られてしまったのがREVOだったんだろうなあと思っています。
・ガウリイと光の剣レプリカ 剣探し
REVOでは重要アイテムとして「光の剣のレプリカ」が登場しました。けどこれがまた色々と微妙な気分。
ぶっちゃけそんなものが簡単に作れてたまるか、というかそれ光の剣じゃ無ぇという気分で一杯です。
なので各話の感想では、序盤とよっぽど面倒くさい時を除いて光の剣レプリカと書き続けた覚えがあります。
アニメはTRYで26話も使って光の剣やその大元ダークスターにまつわる色々があったはずなのに、これを
あっさり光の剣扱いしてしまうのがどうにも納得行かない。
何よりガウリイ。「魔法剣がない」それで弱体化して登場というのは分かる。けど、あそこまで役立たずに
描くことはない・・・というより保護者成分が足りない。その一言に尽きる。光の剣っぽいものの有る無しで
戦闘力が上下するのは当然としても、情けなさまで上下させないで欲しい。おかげでもう、並行して登場した
ファルシェスガウリイがどれだけ違う生き物に見えたことか(笑)
REVOでは最終戦で光の剣レプリカが壊れて、やはりちゃんとした剣を見つけなければ、というラストになる
かと思いきゃ、全然壊れず。EVO-Rでもどうもずっとガウリイが所持しそうな感じが。剣探しがこれを貰って
終わりというのは、頼む、本当に勘弁してください。これで終わるくらいなら、そして何だか適当な展開で
斬妖剣が見つかってしまったりするくらいなら、EVO-Rでも見つからず、再度探索の旅に出る、という決着の
方がまだ納得が行く気すらする。不安と期待をEVO-Rに持ち越しです。
・ゼルガディスとアメリア
この二人に関しては前3作から特にキャラクター観のブレも不自然さも感じずに済んで、一安心。まあ、
アメリア(セイルーン)の扱い方については多少引っかかるものの、アメリア個人は大丈夫。ゼルについても
アニメゼルがそのまま来ていて大丈夫。というか4話みたいな哀れな岩を見るのは大好きでして(外道)
この二人については、間違いなく、もう一度動く二人が見られて嬉しかった。
アメリアはREVOで焦点が当たった分、EVO-Rでは中心から外れ、今度はゼルに焦点が当たるのかと
いう感じがドラマCDなどからしています。というより、当たってくれないと困る。本気で困る。レゾのエピソードが
中核に来るのなら、ゼルが中心に来なければおかしすぎる。原作1巻&3巻が原点で、ゼルガディスとレゾに
思い入れが深い私としては、この二人が今になって言葉を交わすかもしれないという可能性があるだけでも
食らいつくには十分すぎる。本当に、人間の体に戻る方法の入手が本来の目的のゼルガディス、もしかしたら
レゾともう一度言葉を交わすというのは、それが叶うかもしれないというぐらいの出来事のはず。頼むから
EVO-Rでは他人事のような扱いにはならず、中心に来るものと願ってます。
・・・・・まあ、アニメ。それもR-EVOLUTION-Rの中でゼルが人間に戻れるということはないと思って
ますけれども。正直、剣探しと一緒、いやそれ以上にこの中でゼルの目的に決着がついてしまうというのは
絶対受け入れられない。ゼルガディスとレゾ、この点は私にとって物凄く食らいつくポイントであると同時に
迂闊な描き方をされれば逆に致命傷にも成り得るんです・・・EVO-Rを見ない間、何か致命傷的描き方を
されてると漏れ聞いてしまったら、下手すりゃ「EVO-R?そんなもの存在しませんてあははは」とか、正直
言い出しかねない。この点、期待と、それとは比べ物にならない不安をEVO-Rには抱いてます。
・ゼロスとワイザー
REVOのゼロスに関しては一言のツッコミで全部終わりそうな気もします。何故OPとEDで目立ってた?
というかEDのあの立ち位置はおかしいだろう・・・全然まともにリナ達と絡んでなかったのに何故あそこに。
ゼロスに関しては、EVO-Rでどの程度本筋と関わっているのか全く分かりませんが、今度はもうちょっと
納得の行く登場でお願いします、とだけ。
一方ワイザー。こちらはEVO-Rには登場するんですかね?REVOで最初に出た魔道戦車破壊犯逮捕
とか、そういうのは最後にはもう完全に忘れ去られた感じになっていて、もう出てくる理由がなくなってしまった
ような気が。ワイザーの描き方は、小国役人の割にセイルーン王権代行者アメリアを今一つ気にしてないなー
という点でやたらと引っかかってるのですが、キャラとしてはすぺしゃるのおっちゃんがそのまま来ていた
感じで、特に違和感はありません。とりあえずセイルーン大決戦の後始末頑張れ、とだけ言っておきます(笑)
・ポコタとオゼル
嬉しい誤算がこの二人。特にポコタ。最初外見を見たときは、一体なんだこれ?と心配したものでしたが
いや、ああいう内面を持ってくるとは思いませんでした。見た目が小動物なので、意味無くくっついてきて
画面の端できゅ~♪とか鳴いてるだけの生き物じゃないだろうなと思ったものでしたが違いました。もしも、
予想通りのそういう生き物だったら、最初からポコタは見なかったことにしてたと思います。いやあもう全く、
小憎らしい生き物で本当に良かった(笑)というより、ポコタは、というよりポセル=コルバ=タフォーラシアと
呼びましょうか。リナと似た高能力、王族としてのキャラクター、そういう既存のキャラと被り、もしかしたら
喰いかねない要素をふんだんに持って目立ちつつ、主役を食うことはなかった。特に12話の叫びのシーンは
素晴らしい。これもREVOの高評価場面の一つです。
13話でデュクリスに光の剣レプリカを振り下ろせなかったのは残念な点ですが、けど、正直これは
アニメ展開的にやらないだろうと予想がついたので、特にショックは受けませんでした。あ、いや違う・・・
神聖樹植えられたショックであんまり気にならなかっただけだ・・・それは置いといて。ポコタは予想外に
好きになれたキャラクターでした。
そしてオゼル。彼女についても予想外。開始前散々魔族説がありながら、あっさり人形メイドさんなことを
暴露、ギャグパートも担当(笑)彼女も予想外に好きになれました。オゼルの謎は丸ごとEVO-Rに持ち越し
なので、ここではREVOの彼女は好きになれたことだけを書いておきます。
・ズーマとデュクリス
ポコタとオゼルの有る意味対極がこの二人。特にデュクリス。正直、この二人に関しては途中からもう
レボズーマとレボデュクリスと表記しようかと思いましたがくどいので止めた覚えが(笑)それぐらい、微妙な
扱いを受けた二人でした。
いや、アニメと原作は違うことは解っています。けど、ここまで変わってしまわなくても・・・ズーマはまだ
良いんです。こちらはREVOの戦闘の微妙さのあおりを食っているのと、EVO-Rが本番のようなので、
各話の感想で思ったことだけで十分です。ただ、デュクリス。こちらは残念、というか無念の扱い方でした。
デュクリスは原作5巻に少しだけ出てきた敵役な訳ですが、敵とは思いづらい性格、物悲しさを持ったキャラ
クターです。原作の登場時間の短さにも関わらず、読む人に印象を残すキャラクターでした。実際、REVOの
前情報でデュクリスが出ることが聞こえてきたとき、デュクリスって誰?という声はほとんどなく、デュクリス
出るの!?という驚きの声が広がっていた印象が残っています。デュクリスの扱い方は、惜しい。正直惜しい。
タフォーラシアという国の背景、見捨てられた怒りと絶望、そういうものは描きようによっては物凄い印象的な
ドラマを生むことができたでしょうに、何故そこで訳の分からん運命論何故ケンタウラスにして放免する・・orz
デュクリスの扱い方は、良い材料を良い料理にできなかった最大の例だと思います。魅力的なキャラクター
に、これだけの要素を付加して、結果それが納得のいく方向に向かわなかった。デュクリスは、正直言って、
原作の「デュクリス」を持ってくるより、ポコタと同じくアニメオリジナルキャラとして誰かを造形した方が余程
納得が行ったと思って止みません。無念。
・ザナッファーと神聖樹(フラグーン)
さて私情入りまくりの最後がこれ。ザナッファーと神聖樹です。
ザナッファーに感して何より言うべきことは、無印との整合性不足。これはもう言うまでもありません。
ザナッファーという名で呼ぶよりも、サイラーグの写本を基にしてアレンジを加えたザナッファー(改)型、とでも
していてくれればそこまで整合性に悩む必要は無かったのにと思って止みません。因みに、レボザナッファー
の言動、これはもうあの井の中の蛙っぷりが逆に可愛らしくすら思えてきてしまったので(笑)、特にもう言う
べきことはありません。
ただ。微妙なところだけ原作に戻らないで欲しかったと言おう。
最後に倒れていきなり瘴気噴出、それは良い。それはまだ許す。けどそこで神聖樹を植えないでくれ。
すみません正直これは駄目だ・・・何故植える。コピーレゾ戦で町は消滅したのに大樹だけが残り、葉を繁らせ
フィブリゾの出来事であっさりと消えてしまった神聖樹・・・すみませんくどいですが原作3巻のエピソードには
思い入れがありすぎるんです神聖樹にも並じゃないんですなんでこれを今こんな形で出してくるレボ!
危なかった、本当危なかった、最終話の終了間近でこの出来事でまだ良かった・・・これがもしレボ中盤とか
でやられてたら、その時こそ脱落したかもしれない。これはちょっと揺らいだマジで・・・なんで本当、こんな
ところでいきなり原作サイラーグザナッファーの伝説そのままが戻ってくる・・・というか瘴気出してたのか
レボザナッファー・・・いやそれよりも、原作5巻であっさり倒されて穴の中に放置されたザナッファーがちょっと
哀れ、かつ瘴気は出ないのか?と突っ込んだ記憶がありますが、まさか今・・・わ、私の12年間のツッコミを
こんな形で補完しないで欲しかった・・・これはもう、えーと、これを最後に忘れようかと思います(苦笑)
・REVOの存在
さて、ここまで色々書いてると、つまるところ君はREVOはもう見なかった方が良かったと思ってるんでは、と
思われそうですが、そうは思っていません。確かに最初に書いたとおり、REVOLUTIONは見る人に色々な
意味で衝撃を与えました。この出来ならやらなかった方が良いと思う方も多いでしょう。けど、私はREVOと
いう企画そのものが実現したことは物凄く嬉しくて、そして何よりもう一度動くスレイヤーズが見られたことに
無条件に喜びました。11年ぶりに、もう一度あるとは思っていなかったリアルタイムが実現したこと、これには
どれだけ喜ばせてもらったか分かりません。
何よりも、元々TVアニメというものはお祭り、または起爆剤だと思っています。REVOという存在がなければ
MEGMIXも、新しい曲も、ファルシェスやその他の企画もきっと生まれなかった。良くも悪くも、多くの人が
「スレイヤーズ!?スレイヤーズ!」と声を上げたREVOの時間。こういう時間が来るとは、本当、少し前まで
思いもしませんでした。
だから、REVOの存在そのものには感謝を言いたい。色々危うかったけど、最後まで追うことができた、
それができて良かった。REVOと、REVOの存在によって動き出した色々なもの、その時間に立ち会えたことは
忘れられない経験です。
・最後に
これだけ書いて良く分かりました。頭、やっぱりまだ冷えてません(笑)というより、スレイヤーズ関連で
冷静で居ることは、自分にとってどれだけ難しいか、2008年全てをかけてよーく思い知ってしまいました(笑)
それを思い知っただけでも、REVOLUTIONはまったく、自分にとっては忘れがたい一作となりました。
REVOLUTIONの製作決定の報で大きく動いた2008年の春。続いて新装版、MEGMIX、REVOLUTION、
ファルシェス、という、様々なものが一気に登場した2008年。この年は、スレイヤーズというジャンルにとって
激動の一年であったことだけは確かです。本当に、忘れられない一年となりました。
あと一月足らずで今度はEVOLUTION-Rが登場します。どんな出来なのか、何があるか、ここまで来たら
できることなら見届けたい。今はただ、2009年とEVOLUTION-Rの登場を待つのみです。
最後にもう一度言いましょう。
おつかれさまでした、REVOLUTION。
そして、会える日を待っています、EVOLUTION-R。